やわらかな夜
「――イきたい?」

そう言ったあかりが俺に向かってニヤリと笑った。

「――そりゃ…」

どうしようもないからな…。

「じゃあ、答えて」

あかりが言った

はっ?

俺が何を答えなきゃいけないのだろう?

そもそも、まだあかりは俺の質問に答えていない。

あかりのペースに流されている場合じゃない。

「シュージが今何を悩んでいるか、それを答えて欲しいの」

「――ちょっと待て…ううっ…!」

あかりの手が俺の言葉をさえぎった。
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