やわらかな夜
まるで拷問だ。

あかりは俺の質問に答えていないのに、何で俺が拷問されなきゃいけないのだろう?

「答えなかったら、このままよ?」

そう言ったあかりに、
「――あ…」

「あ?」

「――悪魔か…!」

そう言った俺に、あかりはやれやれと息を吐いた。

「心外にも程があるわ」

そう言ったあかりに、息を吐かれた理由がよくわからない。

それはこっちのセリフだ。

何であかりに心外と言われたうえに、拷問されなきゃいけないのだろう?

心外だと言いたいのは俺の方だ。

しかし、我慢にも限界がある。
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