やわらかな夜
「――不倫してたんだ…」

俺は先にあかりの質問に答えてやることにした。

答えた分、今度は俺があかりを質問攻めにしてやる。

そう思いながら、
「会社の女上司と、不倫してた…」

俺は言った。

「うん」

「彼女は旦那の子を妊娠して、別れた…。

だけど彼女は子供を堕ろして俺と…」

「俺と?」

「――俺と、一緒になるって…ふうっ!」

その瞬間、俺は限界に達された。

達された余韻で、頭がクラクラする。

そんな俺を、あかりは切なさそうに見下ろしていた。
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