やわらかな夜
「…どうした?」

背中に感じるのは、あかりのぬくもりだ。

「――抱いて…」

消え入りそうなくらいの小さな声で、あかりが言った。

「あたしを抱いて、お願い…」

俺を抱きしめている手が震えている。

その様子から、あかりが泣いているのがわかった。

「――あかり…」

俺は、あかりの名前を呼んだ。

「お前は…本当に、何者なんだ?

どうして突然俺の前に現れて、俺に抱かれた?」

今まで思っていたことを、俺はあかりにぶつけた。
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