やわらかな夜
ついに、俺は自分の気持ちをあかりに打ち明けた。

俺は、あかりに恋をしていた。

それは、初めて出会った時から。

あかりを拾ったその時から。

俺はその時に、あかりに恋をしていた。

だから有村と別れて、あかりを選んだ。

あかりのそばにいたいと思ったから。

あかりと生きて行きたいと思ったから。

俺とあかりの間に沈黙が流れる。

あかりからの返事が怖い。

そんなことを思ったのは、今日が初めてだった。

長い…いや、本当は短かったのかも知れない。

沈黙を破るように、あかりの手が俺から離れた。
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