やわらかな夜
似合うか似合わないかなんて、そんなのは俺が決めることだ。

そもそも、それがどう言う風に関係していると言うのだろうか?

「――ごめん、シュージ…」

俺が欲しかったのは、謝罪の言葉じゃない。

「シュージはさ…ちゃんとした子を見つけて、幸せになった方がいいよ?

あたしみたいな、あばずれじゃなくて」

「あかり!」

俺が名前を呼ぶと、あかりは悲しそうに微笑んだ。

「さよなら」

そう言ってあかりは俺に背中を見せた。
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