やわらかな夜
呼ばれた俺は、
「――あ、その…」

言葉に困った。

「あかりちゃーん、知り合いなんですかー?

お兄ちゃん初耳なんですけどー」

えっ、お兄ちゃん?

いや、何かのジョーダンだ。

「ごめん!」

背を向けて逃げようとした俺だったけど、
「ちょっと待って!

お兄ちゃんは話が見えなさ過ぎて困ってる!」

落ちてきたほうきに先を止められた。

今、投げたよな?

後1歩俺のスピードが早かったらケガをしていただろう。
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