やわらかな夜
「だからその分、シュージを傷つけたくないの…」

そう言ったあかりに、
「その分って何だよ!

優しいから傷つけたくないって、意味がわかんねーにも程がある!

あかりが好きだから。

心の底から思ってるから。

ただそれだけのこと。

それだけのことだから、会いにきたんだよ!」

まくし立てるように言った俺に、あかりは目を伏せた。

「手放すのは、もう嫌なんだよ…!

あかりのそばにいたいんだよ…!

わがままだとかエゴだとか、そんなの自分が1番わかってる…!」

視界がぼやけてきたのは、俺の目が悪くなったからなのだろうか?
< 83 / 111 >

この作品をシェア

pagetop