やわらかな夜
7―“それ”を愛した日
その日、あかりは膝丈の薄いピンクのワンピースに白いカーディガンを羽織っていた。

「無理しなくていいからな?」

そう言った俺に、
「うん」

あかりは首を縦に振ってうなずいた。

「つらかったら、すぐ戻ってきてもいいからな?」

「わかってるよ。

ありがとう、シュージ」

あかりは微笑んだ。

俺はその微笑みに答えることができなかった。

何故なら、今日はあかりの元カレの婚約パーティーなのだ。

「話をしても、彼氏ができたってことを伝えるだけだから」

本当だったら、招待状を渡されたとしても元カレのパーティーになんか行きたくないはずだ。
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