秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
「う~ん」
「ふふっ、そんなこといわれて、コメントしにくいよネ。
ごめん。
でも、あたし、音楽に関わりたいって気持ちは変わってなくて、
この間、音楽祭あったじゃん?
指揮すっごいかっこよかった
だから、目指すって決めたの
コンダクター。」
「へえ、指揮者? チアキみたいな?」
「わあ、のせっち「のだめ」知ってんの?
いいよねーあの漫画、ドラマにもなったものね。
あたしは映画も見に行ったよ。
…ふふっ」
「何?」
「わたしがチアキで、のせっちがのだめ、男女逆だね?」
「は?何言ってんだよ。俺は別にピアニストとか決めてないし。」
「え~?うっそぅ!のせっち絶対ピアニストになれるのに~」
「じっ時間ないから、ラスト一回な。」
「うん、お願い。」
再び教室にピアノの音が響き、彼女の声が重なる。
こんなふうに長く二人で話したのって初めてだなって思った。
将来の夢を語る千葉は真っ直ぐでとても眩しかった。
やっぱり伴奏引き受けてよかった。
この時ぼくは素直にそう思った。