秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
「もぉっからかわないでよ!」


千葉はバシっと俺の背中を叩いてた。


「いって~!」

笑いながらいうと、


「ごめん。ごめん。」

と背中をさすった。

そして、


「…好き。」


背中に、コツンとオデコを当てて小さく呟いた。


「……」


わ~~~っ自分で振っといて!


言葉なくすって、どうなのぼく。


すっかり日が暮れた帰り道。


真っ赤になったまま俯いて押し黙って歩いた。


道路を歩くふたりの足音が、


てくてくと重なる。


この道を二人で歩くのはこれが最後。

てくてくてくてく

ただただ続く足音が、

ずっと続けばいいと思わずにはいられない。

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