秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
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弾きながらも違和感は消えない…



さっきまで感じなかったはずの痛みが

また俺を襲い始めた。





まだだ、


まだ


あと少し


あと少し…







神経を鍵盤を叩く指先に集中させる。


千葉のくれたメッセージが、


遠のきそうになる俺の脳を引き戻す、




大丈夫、負けないで…


負けない。

誰かの為じゃなく自分のために。

千葉との思い出を苦いものにするもんか。


最後の一音。


終わったあとすっと立ち上がった瞬間


視界は真っ白になった。


「たかちゃん…」

千葉の声が聞こえた気がした。


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