秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
千葉のプレゼント

箱の中には、SDカードとあの日とったプリクラと、


そして傷絆創膏。


千葉~どんだけメッセージ付きの絆創膏好きなんだよ。


前のもまだ残ってるんだけど…


一枚めくるたびにその一言が可愛くて。


今回は、フェルトで作った袋入りだった。


ぬい目がガタガタで、不器用な千葉が一生懸命作ったらしい。


「ふ、こういうの苦手なくせに…下手くそ…」



千葉が泣きそうな顔が目の前に浮かぶ…



「泣かせんなよ…馬鹿…。」




誰もいない病室で一人、声を殺して泣いた。



抑えきれない感情が後から何度も襲ってきては、


涙腺を止めないようにしてるみたいだった。



もう一生分の涙を使い果たした。



それぐらい長い間泣いていた。



夕方一度千葉から電話が入ったらしいが、


ぼくは眠ってしまっていて

出ることができなかった。


着信に残っていて慌てたが、

折り返し電話をすることができなかった。


なぜだかひどくそうすることを制限された気がして、


メールで


【プレゼントありがとう大事にする。】


そう一言だけ送った。




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