秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
「安土千葉~!いるかあ?」
勢いよくドアが開いて、羽鳥くんが入ってきた。
「びっくりした。
羽鳥くん、もう少し静かに静かに入ってこられないの?」
「おーっすまん。」
羽鳥くんは、社宅のお隣さん。
同級生
親が同じ職場なので、
千葉に転校してから妙にあたしに絡んでくる。
「何しに来たのよ?
人の家まで押しかけてなんの用?」
「つれないなあ、おばさんから聞いたよ?
また部活やめちゃったんだってな。
そんなんだから高校で友達できないんじゃねえの?」
「うるさい大きなおせわよ。友達くらいいるし…」
ああ~もうやんなっちゃう。
中学生の時も、ずうっとこんな感じ。
あたしと羽鳥くんはむこうの学校で付き合ってたんだって、
そんな噂さえあった。
おとなりさんだし、無碍にできなくて。