秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
電車に乗り会場に向かう。



羽鳥くんとこんなふうに出かけるとか、

なんか変な気分。


たかちゃんとこんなふうに出かけたりしたかったな。

よく考えたら、あたしたち二人って帰り道と、

学校と、

ウッドストックと、

病院と。


場所が限定されてたな。


中学生だったからな。


あの時転校しなかったら、

高校生になって、どんなふうに付き合ってたんだろう?




「なあ、安土。

 お前、あいつとは別れてないんだよな。」


ったく、は取り組んたら随分はっきり聞いてくるなあ。

あたしは、窓の外を流れる景色を見ながら、

そっけない態度で答えた。


「別れてはいない…けど…

 もうずいぶん会ってない。」


「なんで?」


「コンプレックス。」


「?どう言う意味?」


「比べちゃうの、彼と自分。


 行きたい学校じゃない学校で、殻にこもって

 先の見えないあたし。


 夢に向かって活躍している彼。


 なんか、どんどん自分が小さいものに見えて、

 釣り合わないっていうか、

 
 会うのが怖いの。」

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