秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
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『のせっち?』

携帯から聞く声は少し遠くて聞き取れなくて、

知らない電話番号だった。


あ、まさか!!


「千葉!

 千葉なのか??」


番号でも変えたのか?


『違うよ。あはは、マジ食いつくんだ?』


ムカっ誰だよ。


『あたしあたしっ横須賀っ!元気~??』


「あ~?横須賀ぁ、ざけんなっ冷やかしかよ。」


『んなわけ無いでしょ?チケットサンキュー!

 取れなかったから助かったよ。』


「ああ、いや、どういたしまして、

 まあ、会えないとは思うけど、歓迎するよ。宜しくな。」


『なによその気のない返事!

 せっかく久々に同級生が連絡してるのに無愛想ったら!』


キンキンと響く遠慮ない声、ウザったい。

竹野内の趣味疑うぜ。


「あ~、悪いかったなあ。

 何期待してんだよ、タケにチクるぞ」 


『あはは、な~に言ってんのよ。

 あ、

 それよりちよう来るって聞いたんだけど?

 マジで?

 ねえ何企んでんの?」』



「ああ”?」


『ねえ、別れるとかやめてよ?

 あの子受験に失敗してナーバスになったまま浮上してないのよ。


 のせっちのこと好きなのは変わってないから、

 待っててあげてよね。』



「そうなのかなあ。」


『は?』


「もう、俺のこと興味なくなったんじゃないのかな。


 彼氏とか好きなやつ出来て、

 だから、これが最後だって思ってる。」


言いながらも、自分の気持ちが揺れているのがわかる。


最後なんて言葉…

もう2度と使わないと思ってたのに…









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