秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
『ふうん。何か…』

「なんだよ。」

『のせっちは結局、器の小さい、いじけむしってことだね。』

「あ~?喧嘩売ってんのかよ。」

『あんた中学生の時の方がずっと男だったね。

 今のあんたは手に入らないから誰かのせいにして諦める、

 ああ、そうそうウソップ童話の

 手が届かないからってぶどうを酸っぱいんだって決めつけた狐くん。』


「ばあかイソップだろ?

 諦めてるわけじゃねーよ。

 手を離す覚悟をしただけで。」


『はいはい、ものはいいようだよね。』


「だから話を聞くつもりはあるし

 気持ちが変わったわけじゃない。

 こっちからの連絡一切拒否してるのは千葉なんだぜ。」


『あんたたちって

 あたし達とちがう絆みたいなのがあるって思ってたけど、

 なんか普通っていうか?

 そか、

 なんかがっかりだな。

 うん、でも、


 なら、あたしの口出すことじゃない。

 後悔しないようにね。』

言うだけ言って電話は切られた。


イラっとした。

ぼくが悪いと責められてる気がして、

なんだって言うんだ、

いったい今まで僕に何ができたって言うんだ。


ぼくはいつだって千葉の尾と思ってたし会いたいと思ってたけど、

着信拒否されてるしメールに返事は来ないし、

家電にかけても出ないし、

何か方法があったのかよ。

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