秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
「いいけどさ、あれだろ?

 あいつさあ、来月転校すんだろ?」


「え?」


「あいつんとこの親父の会社、近くにある工場閉鎖されるらしいよ。

 千葉に転勤するんじゃなかったかな?」


「そうなのか?」


「本人が担任に言ってたの聞いたから確かだぜ?

 近所のパート行ってたおばさんがボヤいてたから、

 工場閉鎖も確かだしな。」


「だから、あんな必死なのか。絶対優勝したいって言ってた。」


「思い出作りか?」


ぼくは思い出していた。

千葉の遠くを見つめる綺麗な横顔。


この学校での思い出作りたかったのか。


「なあ、タケ、あのさあ。」

「皆まで言うな、わかってるって

 ダッセーけど協力してやるか。

 クラスまとめて盛り上げてやろうってことだろ?」

「うん。」


やばいやけに切ない。

それにしても、


千葉が千葉に…ダジャレか?
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