秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
放課後、各教室からはそれぞれのクラスの合唱練習。


一斉にいろんな曲の音が混じり合い、不協和音が響き渡る。


異常に耳を鍛えているぼくにとって、

この状況は非常にしんどい。


多分こんなふうに感じるのはぼくだけなんだろうな。


クラス練習が終わると、皆、部活動に散って行った。


帰り支度をする千葉に声をかける。


「千葉ちょっとやってくか?」


おれは楽譜見せて笑顔を作った。


「のせっち、部活は?」


「はは、一週間部活停止。

 ペナリティ喰らったから。」


「ペナルティって何やったの?」


「一昨日、部活サボった嘘がバレたんだよ。」


「え?それって


 あ、あたしのせい?」


「そぉ、お前のせい…

 なんつって…あ、おい泣くか?そこ」


「だって、あたしが無理言ったから~。」


予想外に千葉にワ~っと泣かれて、自分の言動を反省した。


「や、冗談だってば。千葉のせいとかじゃなくてさ、

 俺がかっこつけて、ちゃんと言わなかったからで、


 なっ!千葉のせいじゃないんだって…


 ああ~もぉっ泣くなって~!!」

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