秘密だよ？～ピアノとバスケそして君～
-----------


「ちょう！」

「横ちゃん。」


「遅いよう、もう来ないかと心配した。」


「これでも、部活抜け出してきたんだよ。たかちゃんは？」


「いま手続きに行ってる。」


あれから一ヶ月。

今日は、たかちゃんがフランスへ立つ日。


なんていうかな、

この一ヶ月たくさん会えたかって言うとそうでもなくて、

2回会っただけ。


でも、毎日ラインで話はしてる。


結局お互いに忙しくて、

なかなか会えなくて、

もしかしたらたとえたかちゃんが1年いなくても、

それほど大きな変化はないかもしれない。


向こうに行っても、きっとメールのやり取りはできるし、

なんかあの日を境に、自信みたいなものが出てきた。


私も明日から夏休みに入るけど、

合宿所で缶詰になる。


一度やめた吹奏楽部に再入部し、

バイオリンも個人で習い始めた。


宿題もたっぷり出ているし

勉強もガッツリやってる。


目指すは難関学芸大。


目的が決まれば、高校生はなんて忙しいのだろう。


目的もなくぼんやり過ごしてたのが嘘みたい。







< 187 / 192 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop