秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
「千葉のうちって近くだっけ?」


「うん、すぐそこだよ。」


いつもなら、まだ学校で部活している時間。


商店街を二人で歩くってこそばゆい感じがする。


デートってこんな感じなのかな?


ドキドキして、顔に熱が集まってくる。

気まずい雰囲気を紛らわしたくて、言葉を探した。


「あ、あのさ…聞いたよ。」


「なぁに?」


「転校するんだって。」


すぅっと息を呑む気配。



やば、もっと気まずいじゃんか。

馬鹿だ。



「うん。パパは来月から行くけど、

 あたしは2学期いっぱいで転校する。」


「そっか。」


「うん。」


「…」


「…」


しばらくの沈黙、の後、


「あのさ!」


振り返った千葉がバランスを崩した、


「きゃっ」

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