秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
千葉は私服に着替えて、頬をぷうっと膨らましてた。
初めて見た私服の千葉は眩しくて、
優等生の表情と違うその表情も学校とは違っていた。
はあ、なんなんだ、可愛すぎる。
「うるさくてごめん、あのさ、左手貸して?」
「うん?」
千葉はふわっと俺の手を包むと、
「今日はもう、弾かなくていいから、大事にしてね。」
そう言ってちょうどいいサイズに切った湿布でくるんと包んだ。
「あ、もしかして、気にしてたの?」
千葉は黙って頷いた。
さっきこけそうになった千葉を、
ぼくは、うまい具合にを支えることができたんだ。
けど、
---------
「わ、っぶねーーっ。」
「ごめん」
咄嗟に支えた手は、
気持ち、無茶な支え方をしたのだろう。
ズキン!
「やべ…」
一瞬走った強い痛み。
前にもこんな経験があった。
ざわり
嫌な予感がした。
「え?」
慌てて体制を立て直した千葉が、眉をひそめて
反射的に右手で掴んだ左の人差し指をじっと見つめる。
昨日試合中に打撲した人差し指が、
今千葉を支えた瞬間に
さらに痛めた?
指先に鈍い痛みがリズムを作る
ズキン…ズキン…
「指どうかした。?」
「えっと…」
「痛むの?」
ぼくは上手く交わすことができず曖昧な笑顔を作った。
-----------