秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
3歳からピアノやってて、
小学校でもいつも伴奏頼まれて、
「あたしは誰より上手い」
って、
テングになってた。
伴奏の立候補者は3人。
それぞれが自由曲を練習してきて、
みんなの投票と、先生の意見で決定することになってるんだけど、
あたしになるって自信満々だった。
最初にやった子は、沙耶ちゃん。
練習不足で途中までだった。
そして二番目が私、
弾き終わったときみんなが
「おおっ」って拍手くれて、
まあ、当然でしょって思ってた。
3人目、能勢天道くんがスッとそんなあたしの横をすり抜けて、
ピアノに座った。
のせっちって呼ばれてる。
目立たない子だった。
背が低くってスポーツ刈りで、
こんな子がピアノなんて引けるの?
半分馬鹿にしてたと思う。
彼がピアノの前で
すぅって呼吸したと思ったら、
ふわっと曲が始まった。
「え?」
嘘?
これがあたしの伴奏と同じ楽譜なの?
彼が弾く心地よい音符たち。
もちろん上手いってことだけど、それだけで言い表せない
白黒の鍵盤をパステルカラーにしたみたいな不思議な感覚。
気がつくと周りの子の何人かが、合わせて歌い始めた。
『ああ、これが音楽なんだ。』って思った。
音を楽しむってこういう事なんだって、
生まれて初めて、
音楽に才能ってものがあるんだって知った。
器用でうまいのとは違う、
人を楽しませる音をはじき出す彼の才能。
私の完敗。
でもそれより、
この人と音楽を作れて嬉しいって素直に思えた。
さっきまで、冴えないなんて思ってたくせに、
一瞬でスーパーウルトラスペシャルギガメガカッコよく
輝いて見えたんだ。
そう。
この日から能勢天道はあたしの特別になった。
小学校でもいつも伴奏頼まれて、
「あたしは誰より上手い」
って、
テングになってた。
伴奏の立候補者は3人。
それぞれが自由曲を練習してきて、
みんなの投票と、先生の意見で決定することになってるんだけど、
あたしになるって自信満々だった。
最初にやった子は、沙耶ちゃん。
練習不足で途中までだった。
そして二番目が私、
弾き終わったときみんなが
「おおっ」って拍手くれて、
まあ、当然でしょって思ってた。
3人目、能勢天道くんがスッとそんなあたしの横をすり抜けて、
ピアノに座った。
のせっちって呼ばれてる。
目立たない子だった。
背が低くってスポーツ刈りで、
こんな子がピアノなんて引けるの?
半分馬鹿にしてたと思う。
彼がピアノの前で
すぅって呼吸したと思ったら、
ふわっと曲が始まった。
「え?」
嘘?
これがあたしの伴奏と同じ楽譜なの?
彼が弾く心地よい音符たち。
もちろん上手いってことだけど、それだけで言い表せない
白黒の鍵盤をパステルカラーにしたみたいな不思議な感覚。
気がつくと周りの子の何人かが、合わせて歌い始めた。
『ああ、これが音楽なんだ。』って思った。
音を楽しむってこういう事なんだって、
生まれて初めて、
音楽に才能ってものがあるんだって知った。
器用でうまいのとは違う、
人を楽しませる音をはじき出す彼の才能。
私の完敗。
でもそれより、
この人と音楽を作れて嬉しいって素直に思えた。
さっきまで、冴えないなんて思ってたくせに、
一瞬でスーパーウルトラスペシャルギガメガカッコよく
輝いて見えたんだ。
そう。
この日から能勢天道はあたしの特別になった。