秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
早々に歌練習を切り上げて、のせっちの家を目指す。

小学校は違う学校だったから、

のせっちの家には行ったことがないはずなのに

あたしは迷わず行けてしまう。


実は、一度休みの日に部活帰りの、

のせっちを見かけてつけたことがある。


ス、ストーカーなんかじゃない。


偶然だったんだもん。


好きな子が目の前にいたらちょっと付けちゃうって、

そんな特別なことじゃないと思う、

まあ後で考えたら、恥ずかしくなっちゃったんだけど。


商店街からちょっと外れた郊外に分譲で建てられた三階建て。


オレンジ色のとんがり帽子の家が能勢くんの家。


多分三階がのせっちの部屋、ピアノの音がよく聞こえる。


甘くて優しいのせっちの音。


その後も、のせっちのピアノが聞きたくて

何度か家の前までいったこともあったりして、



あはは、やっぱ、ストーカーかな?


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のせっちの家の前。

今日はちゃんと用事があるんだもの?


ドキドキする


目の前のインターフォンのスイッチ。


指が震える。


ドキドキする


心臓がうるさい。




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