秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
「俺の夢を話そうか?」



そういって、話してくれたのせっちの夢


「俺の夢は、いつか、俺が作った音楽を、

 千葉に聞いてもらうこと。


 それは、どんな形でもいいと思ってる。

 ネット上で、

 CDで、

 コンサートで、


 ええと他にあったっけ?」


「え?

 あたし?

 のせっちの夢にあたしがいるの?」


「できるなら、自分で作って、自分で演奏した曲。

 聞いてもらえる時に、

 できるなら、有名になってて、

 千葉に自慢してもらえるのがいいな。」


「ああっあのね~、答えてないじゃん

 あたし?のせっちの夢にはあたしがいるの?」



「うん。千葉は覚えてないと思うけど、1年の時自己紹介で、

好きなもの、なんて言ったか覚えてる?」



「音楽?とか?」


「 『音楽クリエーターのMEさんの演奏が好きです。

  MEさんの作った曲はすごくいいのでSMILE動画で見てください』

 って言ってたんだよ。


 まだ中学校入ったばっかで、

 そういうの、全く知らなかったから

 千葉ってすゲー大人だって思った。

 家帰ってすぐネット繋いで検索した。

 そしたら、ほんと凄くって。

 感動した。


 それで思ったんだよ。


 自分の作ったものを、誰かにみとめてもらえて、

 MEさんみたいになって、

 色んな人に感動してもらえるようになりたいって、

 誰かに憧れてもらえる音を作りたいってね。


 でもさ、

 今は、誰かじゃなくて、

 千葉限定。

 千葉に聞いてもらいたい。


 小さいかもしれないけど、それが俺の目下の夢。」



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