秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
シン


静まり返った体育館。


パラパラとした拍手につられるように、


大きな拍手とワッと歓声が上がった。




「スゴ…迫力あったね。何?曲が良かったの?」


「よかったね…」


そんな声が聞こえてきた。


みんな顔を見合わせ照れくさそうに笑った。


退場したあとも、胸の中がざわざわする。


練習の時よりずっと完成度も高かった。


女子の何人かは少し涙ぐんでいたみたいだ。


誰もが、達成感に酔っていた。




ぼくたちは2年の最後の合唱で、

退場して席に座ると、


すぐ、3年の先輩たちの合唱が始まる。

先輩たちの演奏は、胸に響くような迫力があった。


毎年金賞は3年生が取るみたいな暗黙の了解があったけど、


だけど、ぼくたちが一番良かったような気がして、


もしかしたらなんてすごくドキドキしていた。


それはきっとそこにいたクラスのみんなが

同じ気持ちだっただろう。


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