秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
「校長賞は

『マイバラード』を歌った2年2組!

 力強く、心打たれる合唱でした。

 実質金賞と同レベルだと

 校長先生が言っています。」


また、みんながどっと笑った。

え?どういうこと?

当の俺たちはどうしていいかわからないって感じだった。



「はいはい、

 もう一つ気になってる方もいるでしょう。

 今年度の最優秀指揮者賞ですが、

 2年2組安土千葉さんに決まりました。


 最優秀伴奏賞、2年2組 能勢天道くん

 昨年に引き続きの受賞です。おめでとうございます。


 2年2組はトリプルです。快挙です。」


ここで初めて、沈黙をしていたみんながワッと歓声を上げた。


千葉が振り返ってぼくを見た。


Vサインを出して笑った。


やったじゃん。


俺と千葉はみんなからもみくちゃにされながら、

受賞席に向かった。


向かう途中、佐伯先生がぼくを見て軽くウィンクをした。

オエッやめてくれ。

けど、

「僕の本気」


認めてくれてのウィンクだったのだろうか。

う~ん、でも、やっぱキモいです。


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