秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
「はい。すみません。」

なんか頭ごなしでむっとするけど、

佐伯Tにはいろいろ感謝してるし、

素直に謝罪の言葉が出てきた。



すると佐伯Tは急に、気まずそうな顔になり、


ごほんっ咳払いした。


「いや、そうじゃなくて、

 お前来週コンクールあるってなんで言わない?

 やる気を見せろとはいったが、

 お前は自分の未来をバスケに架けるわけじゃないんだろう?

 やる気は、違うところで見せてもらう。

 帰って、その指休ませろ。」



「先生!俺バスケも好きなんです。

 ピアノもあるけれど、

 バスケはすきなんです!」


「お前がバスケ好きなのは知ってる。

 やめろは言いすぎた。

 すまん。


 ほかの先生たちからちょっと言われて、苛立った。

 悪い。

 お前に八つ当たりした。

 とにかく、俺が許すからコンクールまで部活休んでくれ、

 大切なコンクールなんだろう?」


「でも…!」


佐伯Tは作り笑いを浮かべながら、

俺の方を2度ほど叩いた。


「とにかく休め、話はコンクール終わってからだ。

 帰っていい!」


「先生!」


「待ってるから。

 ちゃんといろいろ片付けて戻って来い。」


「は…い。」





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