秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
そのあと、右手を振り俺の言葉を遮り無言で追い払い、

みんなに招集をかけた。


その場に残された俺は、黙ってぺこりとお辞儀をして、


「失礼します!」


ありったけの声で言って、体育館を後にした。


佐伯Tにお前はいらないと言われたようで、泣きたくなった。


取ってつけたような先生の励ましの言葉は、

逆に俺の胸にはこたえた。


別に対して上手いわけじゃない俺、

いてもいなくてもどっちでもいいんだ。


あああ、俺って中途半端

いっそやどっちかめられたらいいのに…


はあぁぁ


ため息が出る。



鞄をとりに教室に戻る。


ガラッ


俺の机に座ってうつ伏せている人の影があり、驚いた。


ハッとして顔を上げたのは、

泣きはらした顔の千葉だった。


「千葉?泣いてるのか…」


「たかちゃん…」


あれからずっと?

ずっとここにいてそうしていたのか?




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