秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
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「みっくん!!」
玄関のドアを開けた瞬間母さんが泣きながら飛びついてきた。
は?
「な、何?」
ぎゅうぎゅう抱きしめられながら、
訳が分からずぼくは目が点だ。
そんな母さんを後ろから父さんがベリリっとはがした。
「天道、こんな時間まで、どこにいたんだ?」
「と、父さん…早いんだね?」
「母さんが、お前が家出したと大騒ぎして
会社まで電話寄越してね。」
「家出????
なんでそういうことになるんだよ?
部活してればこのくらいの時間…いつもだろ?」
父さんは呆れた顔して、母さんに言う。
「やっぱり、なんでもなかったじゃないか。」
「だって、部活はやらせないように、
学校にお願いしたのに、
帰ってこないし、みっくん怒ってるんじゃないかって思って…
どんどん時間が過ぎても、帰らなくて、
家出しちゃったらどうしようって…」
「母さんが電話して部活休みにさせたの?
あのさ、恥ずかしいだろ、
俺にだって口が付いてるんだから!」
「だって、もう指とか怪我して欲しくないし、
もうすぐコンクールなのよ!」
はぁっ
ピアノのこととなると母さんはいつも先回りする。