秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~

父さんと話すのってすごい久しぶりだ。

父さんの言葉は胸のとこにすとんと落ちた。

ぼくにも、反省すべきところはあったと素直に思えた。

きっと大騒ぎだったんだろう。

営業の父が、こんな時間に帰ることってまず無い。

家出とか、本気で焦って電話しまくって、

あわあわしてる母さんが目に浮かんだ。


「俺、謝るべきかな?」


「さてな、お前のしたいようでいいんじゃないか?

 おやじの目から見れば、お前が軽い反抗期で、

 母さんは、子離れしきれない過保護としか見えんしな、

 どっちもどっちだろ。」


「ずるいなあ。」


「そうかあ?」


「そうよ、ずるいわよお!お父さんは!」


いつの間にか戻ってきた母さんは、まだ膨れてたけど、

手には新品の携帯を持っていた。


「これは、みっくんに、お母さんとお父さんからプレゼント。」


「え?」


「私だって、たかちゃんのこと無視してるわけじゃないんだから。」






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