星空の魔法
仕事が終わってすぐに返信をした

“そんな風に諦めるのがダメなんですよ。夫婦なんだし、諦めずに向かって下さい”

夫婦生活の相談でも受けているような気分になってくる

むしろ、それでいいんだと自分を納得させた

どんな会話をしていいのかわからなくなる

あたしが、気にしすぎだったのかなって思えてしまうような会話になってくれたらなって考えていた

それからすぐにスマホが震える

メールの震え方と違う、着信だ

ドキドキする

長谷部さんは昼休みの時間なんだろうか

だから、電話?

スマホの画面を見ると、野球部の子のお母さんの名前が出ていた

ホッとした気持ちと、少しがっかりした気持ちが同時にこみ上げてきた

がっかりなんか、しちゃいけないのに

『もしもし』

『純平の母さん!仕事終わったぁ?さぁ、行くよ!』

『仕事は終わったけど、行くよってどこに?』

『昨日、カラオケ行くって言ってたじゃん!酔っぱらってて記憶無いは通じないからね!今から家に迎えにいくから。じゃーね!』

電話を切られてしまった

そういえば、カラオケ行く約束してきたんだっけ

記憶がだんだん蘇ってくる

みんな2時まで飲んでたのに、元気すぎるよ…なんて思いながら、急いで準備をした
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