星空の魔法
話は盛り上がっている

野球の話だけじゃなくて、勉強の話や、夫婦の話にまで及んでいる

飲み始めが遅かったあたしも、少しずつ飲んで、みんなに話を合わせていた

素面でも、下ネタでもなんでもついていける自信はあったから、何でもこいって感じ

気付くと時計は1時を回ってしまっていた

みんな次の日仕事だから、解散しよっかとようやく片付けをし始めた

だいぶベロンベロンになってるお父さんも居たし、飲んでるくせに全く酔ってる素振りの見えないお父さんも居た

あたしを含めた全員が、飲んでないママさんの車で送ってもらう事になった

『いつもごめんね。本当申し訳ないです』

みんなそんな言葉を言いながら、車に乗り込んで送ってもらう

『降ろしやすい家から降ろしてって。誰の家からでもいいよ』

なんて酔っ払いついでに誰かが言った

順番にいって、あたしが一番最後だった

『最後でも大丈夫?』

『全然平気!』

みんなを送っていって、笑顔を向けて手を振る

何度かそれを繰り返して、ようやくあたしの家まで送ってもらった

『ありがとうね』

『ううん。また飲もうね』

ワンボックスカーのスライドドアが自動で閉まって、あたしは車が見えなくなるまで手を振った
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