甘い罠-Spider or Butterfly-

「ケータイ聞いてもいいかな？」


改札まで来ると、俯いて、コウくんが言った。


相当勇気が必要だったんでは、と、表情で見て取れる。


特に断る理由もないし、迷惑だと思う相手では無い限り、好意は嬉しいものである。


それに、


これだけ真面目な人ならば、今までの男の人とは何か違うかもしれないし、なんて。


交換すると、そのまま別れて、終電近い電車に乗り込んだ。


久し振りの合コンはなかなか疲れた。


けれど、


なかなか面白くもあった。


それは、きっと------------・・・・・。





ブルルッブルルッ


電車に揺られていると、ケータイが震えた。


受信メール。


開くと、知らない、アドレス。


今さっき、交換したコウくんでは無い。


コウくんの連れがあたしのアドレスを知る筈も無い


って事は-----・・・。