お姫様の作り方
「きゃっ!ご、ごめんなさい!」
「い、いえ、大丈夫です!あたしの方こそぼーっとしてましたっ!」
幸いカバンのチャックをちゃんと閉めていたから中身をぶちまけることはなかったけれど、でもサイドポケットに入っていた小物は微妙に飛び出てしまった。リップにミニタオルにiPod。…良かった、壊れてない。
「…大丈夫?」
「え…?」
ふわりと優しい声が頭上から降ってきて、あたしはしゃがんだまま顔だけを上げる。iPodについた砂をぱっと払いながら。
…でも、顔は見えない。
「舞!それで全部でしょ?リップはあたし拾ったし。行くよ?」
「あ、うんっ!」
あたしは紫音からリップを受け取って、サイドポケットにしまった。
下駄箱に外履きを入れて、内履きを出す。
「通学路が平和だとここでああいう類のトラブルに巻き込まれるわけね、舞は。」
「ち、違うよ!あれは偶然っていうかあたしのせいじゃ…。」
「いやまぁ舞のせいじゃないけどね。」
「そうだよ!」
「って急ぐ急ぐ!間に合わないから!」
「うんっ!」
「い、いえ、大丈夫です!あたしの方こそぼーっとしてましたっ!」
幸いカバンのチャックをちゃんと閉めていたから中身をぶちまけることはなかったけれど、でもサイドポケットに入っていた小物は微妙に飛び出てしまった。リップにミニタオルにiPod。…良かった、壊れてない。
「…大丈夫?」
「え…?」
ふわりと優しい声が頭上から降ってきて、あたしはしゃがんだまま顔だけを上げる。iPodについた砂をぱっと払いながら。
…でも、顔は見えない。
「舞!それで全部でしょ?リップはあたし拾ったし。行くよ?」
「あ、うんっ!」
あたしは紫音からリップを受け取って、サイドポケットにしまった。
下駄箱に外履きを入れて、内履きを出す。
「通学路が平和だとここでああいう類のトラブルに巻き込まれるわけね、舞は。」
「ち、違うよ!あれは偶然っていうかあたしのせいじゃ…。」
「いやまぁ舞のせいじゃないけどね。」
「そうだよ!」
「って急ぐ急ぐ!間に合わないから!」
「うんっ!」