お姫様の作り方
「…お前、結構強いのな。」

「え、強くないよ!怖いとかで泣くし!」

「いや、まぁそれはそうなんだけど…。なんつーか、ベースの部分は強いって思ったけど、俺。」

「えっと…そ、そうかな?」

「うん。芯の強さはまさに〝シンデレラ〟。」

「え…?」


優馬くんはポケットの中からガラスの靴のチャームを取り出した。


「ガラスの靴の忘れ物だ。」


再び差し出されたガラスの靴にゆっくりと手を伸ばす。


「ありがとう…。もう絶対落とさない。」

「落としてもいーよ。…俺が何度でも拾ってやるから。」

「っ…。」


ニッとちょっと意地悪く笑った顔は、…少しだけ幼くて可愛い。も、もちろんかっこいいにはいいんだけど、でも可愛いって少しだけ思っちゃう。


「…顔、赤いんだけど。」

「っ…こ、こういうこと、言われ慣れてないんだもん!」

「俺だって言い慣れてねぇよ!」

「え?」

「つ、つか!足出せ足!」

「えぇ!?な、なんで!?」

「靴、履いてねぇだろ。」

「な、じ、自分で履けるよ!」

「いいから足出せって。」

「履けるってば!」

「じゃー返さねぇぞ。」

「っ…!」


そ、そんなのはずるい!は、恥ずかしくて死んじゃいそう…だ。

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