お姫様の作り方
腰からゆっくりと腕が抜かれた時には、ちゃんと地面に足がついていた。
後ろを振り返ろうと思ったその瞬間に、後ろから低い声が響いてきた。
「見苦しいからやめろ。」
ゆっくりと振り返ると、私よりも30センチは背の高い、それでいて肩幅なんかも比じゃないくらいに大きな男の人が立っていた。
制服からするに同じ高校だけれど、とても高校生には見えない。
「はぁ?お前何?」
「つーか俺ら、彼女とこれから遊ぶんだけど?」
「お前、こいつらと行きたいのか?」
私は首を横に振った。行きたいわけがない。私が行きたいのは本屋さんだ。
「お前らだけなんじゃね?遊びたいのは。」
「っ…るせぇよ!」
片方の男の人が、いつの間にか私の前に立っていた彼に殴りかかる。その腕を彼の左手が止める。
「っ…てめぇ…!」
「俺も加勢するぜ!」
ボゴっと鈍い音がした。咄嗟に目を瞑ったから何が起きたかは分からないけれど、彼が一瞬痛そうに呻いたのが聞こえて彼が殴られたことを知る。
「や、やめて!」
「うっせーよ!」
「つーかまじいい気になってんじゃねー!」
体格的には彼が有利ではあるし、殴りかかる相手の動きも止めてはいる。それに彼のパンチも当たっている。でも相手が二人というのは良くない。時々鈍い音がして、彼の身体がふらつく。
…私は覚悟を決めた。
「っ…!」
彼の手を掴んで、本屋とは反対方向に走った。
後ろを振り返ることはしないと決めて。
後ろを振り返ろうと思ったその瞬間に、後ろから低い声が響いてきた。
「見苦しいからやめろ。」
ゆっくりと振り返ると、私よりも30センチは背の高い、それでいて肩幅なんかも比じゃないくらいに大きな男の人が立っていた。
制服からするに同じ高校だけれど、とても高校生には見えない。
「はぁ?お前何?」
「つーか俺ら、彼女とこれから遊ぶんだけど?」
「お前、こいつらと行きたいのか?」
私は首を横に振った。行きたいわけがない。私が行きたいのは本屋さんだ。
「お前らだけなんじゃね?遊びたいのは。」
「っ…るせぇよ!」
片方の男の人が、いつの間にか私の前に立っていた彼に殴りかかる。その腕を彼の左手が止める。
「っ…てめぇ…!」
「俺も加勢するぜ!」
ボゴっと鈍い音がした。咄嗟に目を瞑ったから何が起きたかは分からないけれど、彼が一瞬痛そうに呻いたのが聞こえて彼が殴られたことを知る。
「や、やめて!」
「うっせーよ!」
「つーかまじいい気になってんじゃねー!」
体格的には彼が有利ではあるし、殴りかかる相手の動きも止めてはいる。それに彼のパンチも当たっている。でも相手が二人というのは良くない。時々鈍い音がして、彼の身体がふらつく。
…私は覚悟を決めた。
「っ…!」
彼の手を掴んで、本屋とは反対方向に走った。
後ろを振り返ることはしないと決めて。