お姫様の作り方
「好き…って言ってくれて、ありがとう。」
「はい。」
「……。」
目が泳ぐ。そして言葉に詰まる。
これだけたくさんの〝ありがとう〟を言えば、全て伝わったと思いたいくらいだ。そう思って洸をちらりと見上げると、ニコニコと微笑んだままだ。
「…洸…。」
「はい。」
「これ、以上…あたし、何を言えば…。」
「最後です。逃げないでください。」
「に、逃げてないよっ!誠心誠意洸に向き合って…。」
「最後に一言、やっぱりほしいです。
…僕に雪姫さんを掴まえさせてください。」
…掴まってるようなもの、というか掴まってるけどな、すでに。
とは思うものの、…あたしは言ってない。洸の〝好き〟につり合う言葉を。
「…つ、伝わったでしょ…?」
「もちろん。たくさんのありがとうに見合う想いは伝わっています。
でも僕の〝好き〟という想いに対する雪姫さんの想いはまだです。」
「っ…それも…もう分かってる…でしょ…?」
これだけでも充分恥ずかしいというのに…。やっぱり無理だ。ここまで来れば、自分の想いの正体にも気付いているし分かってはいるけれど、口にできない。
「分かってません!分かりませんよ、雪姫さんの気持ちなんて。
…分かったフリはしてあげません。だから、言って下さい。抱きしめたいから、言って下さい。」
「じゃあ…抱きしめて…よ…。」
「…っ、ひ、卑怯ですよ、雪姫さん!僕だって抱きしめたいんですから。
だから頑張ってください。言ってくれたらご褒美に抱きしめます。離さない、ですから。」
…し、仕方ない。ご褒美のために、あ、あたしは頑張る。そろそろリンゴも食べたいし。
「…す、…す、好き。こ、洸のこと…す…き…。」
噛みに噛みまくって、それでもなんとか、あたしは想いを口にした。生まれて初めて。
「はい。」
「……。」
目が泳ぐ。そして言葉に詰まる。
これだけたくさんの〝ありがとう〟を言えば、全て伝わったと思いたいくらいだ。そう思って洸をちらりと見上げると、ニコニコと微笑んだままだ。
「…洸…。」
「はい。」
「これ、以上…あたし、何を言えば…。」
「最後です。逃げないでください。」
「に、逃げてないよっ!誠心誠意洸に向き合って…。」
「最後に一言、やっぱりほしいです。
…僕に雪姫さんを掴まえさせてください。」
…掴まってるようなもの、というか掴まってるけどな、すでに。
とは思うものの、…あたしは言ってない。洸の〝好き〟につり合う言葉を。
「…つ、伝わったでしょ…?」
「もちろん。たくさんのありがとうに見合う想いは伝わっています。
でも僕の〝好き〟という想いに対する雪姫さんの想いはまだです。」
「っ…それも…もう分かってる…でしょ…?」
これだけでも充分恥ずかしいというのに…。やっぱり無理だ。ここまで来れば、自分の想いの正体にも気付いているし分かってはいるけれど、口にできない。
「分かってません!分かりませんよ、雪姫さんの気持ちなんて。
…分かったフリはしてあげません。だから、言って下さい。抱きしめたいから、言って下さい。」
「じゃあ…抱きしめて…よ…。」
「…っ、ひ、卑怯ですよ、雪姫さん!僕だって抱きしめたいんですから。
だから頑張ってください。言ってくれたらご褒美に抱きしめます。離さない、ですから。」
…し、仕方ない。ご褒美のために、あ、あたしは頑張る。そろそろリンゴも食べたいし。
「…す、…す、好き。こ、洸のこと…す…き…。」
噛みに噛みまくって、それでもなんとか、あたしは想いを口にした。生まれて初めて。