Helloween Night【短】
「雪ちゃーん、Trick or treat!」


笑顔で雪ちゃんの部屋に入ると、彼がポカンと口を開けた。


「渚……。もしかして、その格好で家から来たの?」


「ちゃんとコート羽織って来たよ!……じゃなくて、その前に何か感想言ってよ!」


ジャスミンを意識してアラビアン衣装を着ているあたしは、唇を小さく尖らせた。


「あぁ、ごめん。可愛いよ」


「今、適当に言ったでしょ?」


「そんな事ないよ。渚はいつでも可愛いから」


フフッと笑って、雪ちゃんを真っ直ぐ見つめる。


「雪ちゃん、さっきの答えは?」


「ん?お菓子はないから、イタズラされようかな」


「じゃあ、キスしちゃうよ?」


「それ、イタズラにならないよ」


「イイの♪」





この後、雪緒はランプの精のように渚に尽くすのだった――。





             END.


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