Helloween Night【短】
「おかえりなさい!」


「……どうした、それ」


「綾がくれたの。お店のハロウィンパーティーで使うつもりだった物が余ったから、店長がくれたんだって」


クルリと回って見せると、天使をモチーフにした白いミニスカートのフリルがフワリと舞う。


「どう?可愛い?」


「まぁ、可愛いけど……。でも、天使はハロウィンと関係ないだろ?」


廉は背中に着いた羽を引っ張りながら、眉を寄せていた。


「廉、Trick or treat!」


冗談混じりに言ったあたしに、彼がフッと妖艶に笑う。


「お菓子はねぇけど、イタズラはする」


「え?普通は逆……ちょっと、廉!キャッ……!」





この後、天使の澪はもちろん悪魔のような廉に食べられてしまったのだった――。





             END.


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