やっぱ幼馴染?
【第十話】 今更 -雅-

「止めるべきだったのか?」

私は家の玄関に入りドアを閉めた瞬間に呟く。
でも止めたからといって勇人が私を振り向いてくれるという保証はどこにもなかった。

「ただいまくらい言いなさいってば!」

…私のお母さんが台所から顔を出しそう言う。

「あ…ただいま…。」

私は台所の方を向いてとりあえずそう言っておいた。
するとお母さんは不思議そうな顔をして私に言う。

「…何かあったの?」
「え、何で…。」

私はキョトンてなる。

「ま、いいか…早く荷物置いてきなさい。」

お母さんはそう言うと台所に顔を引っ込める。
私は重い足取りでで自室への階段を上がる。
部屋のドアを開けると夕陽が射し込んでいて、部屋の中はその夕陽の赤に染まっていた。
朝、家を出るときと何一つ変わっていない。
部屋の中に射し込む赤い灯がユラユラと揺れる。


「止めれば良かった。」


一番最初に呟いた疑問が確信に変わった。
止めれば良かった、止めれば良かったんだ…。
今さら後悔したところできっと遅い。



こんなに好きなのに。
こんなにも大好きなのに。

あなたへの想いを伝えられないまま、私の最初で最後の恋が終わりそうです。

私があの時引き止めれば私を見てくれた?
あの時引き止めてれば私のものになってくれた?
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