やっぱ幼馴染?
【第二話】 確信がないから   -樹-


「あー、眠いわ…。」
「私が昨日、早よ寝ろ言うたのに聞かんかったからやで。」

雅はそんなことを言う俺を横目でみながら言う。

「おっはよー。」

…後ろからは聞き覚えのある声…。

「いつも二人で登校か。熱いね~。」

…そう言ってきたのは同じ野球部の高沢遥人(たかさわはると)。
ちなみにこいつはC組、そんで俺はA組で雅はB組ってわけだ。
つかそれよりも…朝から何やねんこいつ…俺は冷めた視線を送る。

「お前はとりあえず死んどけ。向こう行けし。」
「何でそんな怒んだよ?あれ、お前らって付き合ってなかったっけ?」

俺の気持ちを少しは汲めよ…。

「ま、いいか。じゃぁ教室でな。」

暴言(←俺的に)を吐いて久義は俺たちの前から去って行った。

「相変わらずやね。」
「変わらんな、アイツも…。」

俺は眉間にしわを寄せる。


つーか久義の、『お前ら付き合ってなかったっけ?』…この言葉。
付き合えるもんならとっくに付き合ってるって話だ。

何となく、何となくだが…俺はどうしてもこいつに言い出せないままでいた。

気持ちを伝えたら、雅が俺から離れていくかもって思うと


怖くて、怖くて…



絶対的な確信がないから、俺はこいつに気持ちを伝えないままでいる…。
この先も伝える気はない…気はあるけど伝えられない。
告白、漫画とかではサラっと言っちゃってるけど俺にはそれが出来ない。





言えたらどんなに楽か…雅に『好きだ』この短い言葉。



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