ダイヤモンド
-第一章-
【第1話】桜並木   



「湊!早く起きなさいって!!」
母親が朝からうるさい、いつもの事だけど。
「湊ぉぉぉぉ!!」
「うっさいな!今起きるって!!」
俺は叫び返す。

今日は待ちに待った…って訳じゃないけど高校の入学式だ。
俺は真新しい制服に着替える。
…って言っても中学のとあんまり変わらない。
ネクタイがついただけって感じ。
俺は制服に着替えてカバンを持って下に降りる。
「あ、兄貴それ制服?」
妹の美香が俺にそう言う。
「そ、制服。」
「…あんま変わってないね。」
「そこは触れるな…。」
俺がそう言うと美香はケラケラ笑う。
「じゃ、俺もう行くわ!」
テーブルにある皿にのってるプチトマトをつまみながら俺は言う。
「湊、朝ごはんは?」
「要らない!!」
そう言って玄関へ小走りで行く。
「いってきまーす!」
そして俺は家を飛び出した。


*


学校まではほんの数十分で着く。
自転車で行くにしてもだるい。
学校まての道のりには桜並木がある。
俺は今年、16回目の春を迎えた事になる。
小学生、中学校…そして高校と通学路はほぼ変わっていない。
便利といえば便利だが何か悲しい。
…とか言ってる間に学校に到着。


*


俺は着くなりクラス分けの表を見る。
横山湊…横山湊…あった!
「1年B組、出席番号37番か…。」
俺はそう呟く。
『よ』だから番号は遅くて当たり前だが何となくがっかりしてしまう。


そして俺は1年B組の教室へ向かう。
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