紅蓮の星屑
「まず此処で話を聞き終えたら、君を連れ戻した二人、五十嵐と皆川と一緒に森の中心部まで向かって貰う。そこへ到着すれば直ぐに分かる事なのだが……」
と、軽く前置きをして言葉を放つ。
「白と黒の大剣が大地に突き刺さっている。それを抜いて来て貰いたい。」
(なんと、ファンタジーな事を言っているのだ! この眼鏡は……。)と、道明は思わず吹き出しそうになり堪えていると。
「なんとファンタジーな事を話しているのだと自分でも思うが、至って真面目な話なのだ。」
一瞬(心が読めるのか!? 眼鏡ッ!!)と、彼は叫びそうになったが、どうやら話をするのは道明が初めてでは無いらしい。
話によると、今まで31人の似たような境遇の人間に、同じ話をして来たと男は言った。
恐らく、その中の誰かにツッコまれたのだろう。