紅蓮の星屑
闇が身体に纏わり付く、足取りも重い。
先程は一人で歩んだ道のりだが、今は三人。
五十嵐と皆川とで一緒に歩いているのは、妙な気分であった。
さっき迄、二人に追い掛けられていたのだから当たり前かも知れない。
道明を担いでたのが五十嵐だと言う。流石鍛えているのか、どちらもしっかりとした身体付きである。
それにしても、もう2時間は歩いただろうか、道明の腹が鳴る。
グキュゥ〜〜〜。
最後の食事を済ませてから大分時間が経っていた。
彼は、好きな物を肉類中心に好きなだけ食べていたのだが、あれだけ腹を膨らませたにも関わらず、腹は減る。
まあ、歩き慣れない森を何時間も歩いたのだ。
「当然だな……。」
と、呟くと五十嵐が笑う。
「目的地に到着したら何か食べたらいい。」
「もっとも、大したもんはないけどな! ハッハッハッ。」
また笑う。期待など彼はしていない。どうせ携帯食かなんかだろうと思い、言い返そうとするが、道明は辞めた。
理由は、腹が減るから。
そんな事を考えている内に、皆川が声を出した。
「到着だな。」