紅蓮の星屑
やっと到着したらしい。
相変わらず森の中であるが、少し開けた場所であった。
複数の人間が見える。
どうやらこの場所を守っているようだ。
大きなライトで周りを照らしながら警備している姿は、厳重な警戒体制と言った雰囲気である。
警備をしている者は、しっかりとライフル銃や拳銃を装備していた。
森の入口付近では、警備している者が居なかったので(そんな大それたエネルギーなんか無いんじゃねぇの?)と、道明は内心思っていたけれど、これなら頷ける。
二人に連れられて大きなテントに入ると、上官らしき四十代の男が立っていた。
「新しい犠牲者か……。」
呟く上官らしき男。
五十嵐が叫ぶようにこの男に向かって報告を始めた。
「今泉上官! ただ今到着致しました! 石川道明と言う自殺志願者であります!!」
道明は思う。
なんだか恥ずかしいと。
そんな大声で言わなくてもいいじゃないかと、同時に思い、それを発言したくなっていた。
しかし、軍人達の張り詰めた空気がそれを許す訳がない。
道明は、沈黙して目の前にいる今泉と言う男の言葉を待つ事にした。