紅蓮の星屑
天空を駆け抜け、武器を奮い、襲い掛かる光線を避けながら突き進む。
人とは似て非なるその姿は、どこかHEROを想わせる存在である。
その凛々しい顔付きもそうだが、彼の周囲で力を奮う戦士達と見比べても立派な、尻尾が特徴でもあり、この星でも珍しい輝くような白い肌をしていた。
彼の名は、ゼーター。
この紅の星、フレイダー星の大国『グナン』の将軍である。
また、数々の大戦では奇跡とも言える勝利に導いて来た英雄でもあった。
そして今は同じく三大王国の一つ『ザラ国』との戦争の真っ只中である。
馬を使わず独自の進化を遂げた『オーラ』を使い、空中や地上で争いを展開していた。
その争いも開戦から既に半年を過ぎていた。
両国の戦士達もかなり疲弊していたが、半年と言う時間を掛けて主力の軍隊をお互いに削り合って来た結果、戦争は最終局面へと向かっていた。
英雄ゼーターは、この戦争に終止符を打つ為に、均衡する戦力の突破口として自ら王に志願したのである。
そして現在、王から許可が下りたゼーターは、敵地に自分の信頼出来る部下達と共に混戦の中を突き進んでいる所であった。