紅蓮の星屑
「ゼーター将軍!! この先でかなり強いオーラを感じます!! 恐らく敵国ザラの勇者バーダー将軍のものと思われますが、如何なされますか?」
副将軍のガゼがそう告げる前からゼーターは、一際強いオーラを放つ存在に気付いていたようだ。
「やはりバーダー将軍か。」
一瞬考えを巡らし、雄叫びとも取れる号令を瞬時に放つ。
「我が誇り高きグナンの戦士達よ! この先に敵国ザラの要とも言えるバーダー将軍が待ち構えている! このバーダー将軍を倒せば、もはや敵はいないと同じである!! 」
確かにその通りである。
半年と言う長い争いの中で、強敵と言える将軍は討ち取って来た。
しかし、こちらの戦力も同じだけ打撃を受けていたのだ。
もはや主力とも言える存在は、英雄ゼーター将軍だけとなっているのもまた事実。
これは賭けであった。
グナンの英雄ゼーター将軍。
敵国ザラの勇者バーダー将軍。
そのどちらかが勝利すれば、その国の勝利と言えるのであった。