紅蓮の星屑
張り詰めた空気に火花を散らす眼光。
お互いの動きを探り合う静寂の空間。
ジリジリとざらつく砂を踏み締め、にじり寄る。
――突如、二人の間に一筋の風が吹き荒れた。
紅の砂が舞い上がる。
ついに、静寂と言う名の絵画を斬り払うが如く、二人の戦士は勢いよく跳び出したのだ。
両者の大剣と大剣が、激しくぶつかり合う。
その衝撃でお互い吹き飛び距離が出来た。直ぐさまゼーターが白光の斬撃を放つ。
地を這う斬撃を避けると同時に、空高くへ飛ぶバーダー。
そして空中に留まると、体内のオーラを大量に膨らませ始めた。
大気が震える――。
「普段ならこの闘いを愉しむところだが、短期決戦とさせてもらうぞ!! 英雄ゼーターよ、さらばだッ!!!」
《フィニッシュバーン》
左掌から放たれる一筋の黒いオーラ。
(まずい!? このままでは周りの仲間ごと大地に穴が空く!!)
「させるかーッ!!!」
瞬時に体内のオーラを右掌へと大量に膨らませ、一気に解き放つ。
《シャインオーガー》
白の閃光が放たれ黒の閃光とぶつかり合った――。
お互いに押し合う形となる。
どちらも究極の技であるが故に、莫大なオーラにより周囲の空気から焦げる匂いがする。
押し合いの続く中、丁度二人の中間までゼーターが空へと押し上げた。
膨脛に力を込め、全身で更に持ち上げようとする。
「オオォォォーーーーーーーーーーーーッッ!!!」