紅蓮の星屑

そのままゼーターの閃光が押し切るのかと思われた瞬間である。


二人の力が同等な為か、空中間で目を覆う程の光と共に大爆発が起こった。


その衝撃で舞い上がる紅いの土が視界を奪う。


規格外なのだ、この二人は。


それまで争っていた両国の戦士達も手を止めボー然と見上げていた。


「まさか此処までの力だとはな、英雄ゼーターよ。」


徐々に視界が戻る中で、バーダーはゆっくりと大地に足を着ける。


「こちらも驚いたよ、勇者バーダー。まさか、自分の仲間をも巻き込む大技を、ここで放つとはなッ!!!」


怒りに満ちた眼光をバーダー将軍にぶつける。


「フハハハ……。これでも、お前達だけを狙ったつもりなのだがなッ!!」


言い終わると同時にバーダーが大地を蹴る。


ゼーターもそれに応えるが如く、大地を力強く蹴った。


もはや、尋常ではないスピードでの斬撃のぶつかり合いは目で追える物ではなかった。



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